受験が近くなると、高校から生徒の技能に合わせた推薦が来ることがあります。
大変素晴らしいことですね。
当塾の塾生にも何人かおります。
忙しい中学校生活の中で積み重ねてきた技能が、私立高校の授業料免除を招き入れるなんて、嬉しいですよね。
でもそういう選択肢ができると悩むことにもなります。
今まで公立受験の為に勉強を頑張ってきたけど、私立の推薦がきたしそっちも魅力的…
その気持ち、よーくわかります。
今日はそういう悩みに対してのアドバイスを書いていきたいと思います。
推薦された技能は高校卒業後も使うのか?
サッカー、野球、ハンドボール、吹奏楽、書道などなど
今までも様々な推薦を見てきたことがあります。
推薦を受けるのか、それとも受けずに自力で受験するか。
推薦の為に部活を続けてきた生徒以外は悩む選択ですよね。
そういう時に考えて欲しい基準があります。
それは「高校卒業後もその技能を使うのか」です。
高校入学はゴールではないです。
高校入学なんていうのは、人生の中のたった3年間をどこで過ごすかを決めるに過ぎません。
もちろんそれが大事なことだから、塾があるのはわかっています。
でも3年間を過ごした後のことがもっと大事なのは間違いありません。
なぜ高校の選択に迷うかって言えば、卒業後の進路に影響があるからに他なりません。
「楽しいかどうか」が一番の基準だったら、ゆるくて楽しい学校に生徒が集まらなければおかしいです。
でも、厳しいけど進学率が高いとか、そういう高校にいきたい生徒は数多くいます。
高校卒業後が大事だと知っているからですね。
推薦ではひとまず高校は決まります。
ですが、高校は引き上げてくれても、大学に送り出してはくれません。
結局はその高校で、勉強なのか、スポーツなのか、その他の技能なのかで、大学に進学するしかありません。
推薦で高校を選ぶということは、部活で得意な技能を続けていくことです。
その技能で大学にいけないのなら、結局は勉強で大学に行くことになります。
その時、自分のいる環境は勉強に最適な環境なのかを考えておかなければいけません。
つまり、最終的に勉強で大学に行くならば、高校受験だって勉強でやればいいわけです。
推薦で入学した後の自分を想像できるか
推薦で入学した後の自分を想像しましょう。
毎日サッカーをストイックに続ける自分や、野球に向き合い続ける自分を。
人は想像ができないことをすることはできません。
例えば自分が推薦を受けた技能が好きで好きでたまらないなら、続けられるかもしれません。
でも、残念なことに技術を伸ばすにはハードな練習がつきものです。
中学まではセンスだけでなんとかなっていても、高校生になると大人に肉薄するような技術が求められます。
考えてみれば当たり前のことかもしれませんが、中学生ですでに完成している選手や表現者なんていません。
発展途上であるわけです。
シンプルに言えば高校の技能推薦は「青田買い」なのです。
高校はその中から脱落する者がいることも見越しています。
体が思ったより大きくならなかったり、技能が思いの外伸びなかったり。
でも周囲の大人にはわかりません。
子供にどれだけの才覚が搭載されているかなんて他人に分かるわけありませんから。
でも、本人にはある程度分かるはずです。
少なくとも想像はできるはずです。
どれだけその技能に愛を持っているか、どれだけ自分の成長に期待できるか。
高校生活を想像するとはそういうことです。
推薦が逃げになっていないか
さらに確認して欲しいことは、推薦が逃げになってはいけないということです。
勉強したくないという理由だけで推薦を受けるのは大変危険です。
前述した通り、高校生活で推薦を受けた技能が開花せず、勉強もできないのでは致命的です。
逃げで推薦に行くということは、推薦を受けた技能に関してよく考えもせずに選ぶということです。
そんなことでは、技能が成長するはずもないし、勉強が頑張れるとも思えません。
その場のちょっとした優越感だけで高校3年間を乗り越えるには、あまりに長い期間です。
自分が逃げの姿勢に入っていないかはよくチェックしなければいけませんね。
はっきり言おう、過去の栄光を語るのはダサい。
世の中に甲子園球児はいっぱいいます。
そんなにいないとは言いつつもそこそこいます。
でも、酒の席で甲子園の思い出を語るだけで、「その人の今」がちゃんとしていないと、全然かっこよくありません。
私も高校生のときバレーボールで全国大会に出場しています。
バレーボールの雑誌にガッツポーズが割と大きめに乗ったこともあります。
でも、こんな話日常生活の中で全くしません。
だって痛いだけじゃないですか。
現在バレーボールに携わっているわけでもないし、部活動の話が出るたびに自分のちょっとした自慢話始めるなんて。
現在の自分に高校生の時どうだったなんて話これっぽちも関係ないし、重要なのはその話をしている現在の自分です。
素敵な「現在の自分」になるために高校を選択するわけです。
だから、高校の部活動がただの武勇伝にしかならないなら、そんなのは全く意味なしです。
推薦を受けた技能で食べて行く必要はない
ここまで割と推薦に否定的な感じに読めるかもしれませんが、そんなつもりは全くありません。
別に推薦を受けた技能で食べていかなきゃいけないわけではないと思います。
でも、何か関わっているべきとも思います。
スポーツインストラクターでも、健康管理系でも、スポーツならそういう方面に行ければいいですよね。
それも絶対ではありません。
高校で、ある技能に本気で打ち込んでも、開花しないことはあります。
でもしっかりと向き合ったのなら、得られるものもあるでしょう。
挫折の経験を伝えてもいいかもしれません。
とにかく、食べて行く必要はないけど、食べて行くつもりで高校に行く必要はあるということです。
それくらい真剣に打ち込むつもりで推薦は受けましょう。
まとめ
推薦を受けるか迷ったら、将来その技能がちゃんと活かせるかを考えましょう!
読んでいただいてありがとうございました!